関西学院大学 総合政策学部  鎌田研究室 

 

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「OB・OG主催鎌田ゼミ交流会」

2002.3.22

 

【一次会:研究発表会】(関学ハブスクエア)

14:00- 堀川敏寛(01年卒) 「ブルトマンの解釈学に見られる学問する者の文献への関わり方」

内容概要:  歴史書を解釈する際、研究者と文献の関わり方は二通 りある。歴史の「客観性」を研究する時は、研究者は自身のパースペクティブから解放されねばならない。歴史の「意義性」を開示するには、研究者が歴史に対して自らの存在を投げかけ、自分の実生活に照らした上で、歴史を理解せねばならない。このように人文科学とは、客観的事実を読み解くと同時に、研究者の実存的関与によって研究対象の本質を開くのである。

 新約聖書学者ブルトマンは、ハイデッガーとディルタイに影響を受けた。彼は歴史の客観性を「伝承史的手法」によって、有意義性を「様式史的手法」によって分析する。得にブルトマンは「非神話化」によって、歴史や神の隠れた本質を解釈することに重点を置いた。それは研究者が聖書の言葉を受け入れ、その都度自分の生き方を新たにして行く事で、これら本質を見極める手法である。ブルトマンは、テキストを実存論的に解釈したのである。

 

15:30- 吉本陵(01年卒) 「ハンス・ヨナス『責任という原理』における「責任」の基礎づけについて」

内容概要:  ヨナスが責任を倫理学の基盤に据えようとするとき、対照として念頭に置いているのはカントの倫理学であり、テクストのなかでも繰り返しカントを参照しつつ議論を展開している。思い切って『責任とい原理』の主張を圧縮して一つのラインで描くとするなら、それは次のようにいえるであろう。自由の倫理学から、責任の倫理学へ、と。

 ごく大雑把にいって、近代の時代精神はあるいは理念は「自由」であった(あり続けている)といえるであろう。自由という理念とたがいに手をたずさえあうようにして近代市民社会は、産業社会は発展し続けてきた。近代初頭における自由の意味は、少なくとも理念としては、中世的な(ときに暗黒のイメージで染められる)身分制度、秩序、抑圧からの解放を意味していた。解放された個人は自律した存在として新たな秩序=共同性を構築していくことが求められるようになる。共同性の構築の基盤におかれていたのが自律としての近代的な自由なのであり、それを哲学的に洗練させたのがカントの『実践理性批判』であった。それが発表されたのが「自由・平等・博愛」を掲げたフランス革命とほぼ同時期であったのは、単なる歴史の偶然ではない。

 しかし、カントの描く理想的な社会は実現されることなく、時を経て自由は「大衆的自由」へと落ち込んでしまう。19世紀後半から顕著になってきた大衆批判は、「大衆的自由」に対する批判であったということもできる。「大衆的自由」の20世紀における帰結が、あるいはファシズムだったのであり、あるいは大衆消費社会なのであった 。さらには、1970年代以降議論が展開されてきた生命倫理学や環境倫理学にしてみても、近代科学技術がもたらした高度技術社会から帰結した、ある意味では必然的な問題意識であった。それらの問題が近代のシステムの弊害として導かれたものだとするならば、もはや単純に「自由」を掲げることだけでは、問題解決は難しい。それでは、問題解決は「もぐらたたき式」のものになってしまうであろうからだ。ここに、ヨナスが提起する「責任の倫理学」が現代において意義を持つ理由がある。自由に代わる新たな理念の要請。『責任という原理』は、ヨナスがその要請に応えるべく世に問うた著作なのであり、わたしたちの時代にたいする省察に基づいた貴重な試みであったのだ 。

 

17:00- 中川芳江(01年修士修了) 「野生生物の保護管理における住民参加試論」

内容概要:  先の野生生物保護学会で発表した論文等を参照しつつ、現在の課題「環境政策と環境思想の関連」を分析する試考を行ってみたいと思っております。野生生物保護学会発表論文(public_participation_for_WLM.pdf )はファイルエリアにアップロードしておきました。(注:原則非公開エリアになっています。御覧になりたい場合は御連絡ください)時間のある方はご覧下さい。まとまった論考を発表するというよりは、今後の議論の展開を期待した提示をしたいと思っております。

 

【二次会:食事会】(江坂駅前)

20:00頃-お好み焼き屋『楽楽』

(参加者:鎌田先生、山本さん、中川さん、西澤さん、上野山さん、大頭さん、浅川さん、万仲君、吉本君、堀川、上田君、石橋さん、小川さん、堀川さん)

 

 

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